【資料紹介】高尾山紅葉狩りの絵巻物から



◆収蔵品紹介

1834(天保5)年

 東京八王子の高尾山は有名ですが、最近、江戸時代の高尾山の紅葉狩りを描いた巻物(頭部欠損) が遠山史料館に寄せられました。

 元は1823(文政6)年9月に作られた巻物で、文は牧野伊予守(いよのかみ)、書は佐々木一陽 (旗本 勘定奉行 歌人)伊勢貞醒とあります。旗本の牧野氏と佐々木氏が紅葉狩りに行き、 二人の歌を随所に交えた絵と文が交互する洒落た作品でした。

 巻物が興味深いのは、その実物を書き写したもので、匏斉(ほうさい)(11代藩主 遠山友寿(ともひさ)) が文を書いた牧野伊代守から「恩借(おんしゃく)」して写させたと1834(天保5)年2月付けで自筆追記 しています。写したのは、書が家臣青山新吾(しんご)(祐筆(ゆうひつ)青山景通(かげみち)の本家筋)、 絵は佐々木勝兵衛(かつべえ)(目付兼帯)でした。

 前の年、天保4年に友寿の7女(12代友禄(ともよし)の姉)綏(やす)が牧野佐渡守(さどのかみ)(旗本) に嫁いでいます。同じ牧野だから関係があるだろうと調べると、やはり佐渡守の父が父が伊予守でした。 舅(しゅうと)同士の関係になり、友寿と牧野伊代守との交際は日記にしばしば見られます。

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書き写した友寿の覚え

 友寿(匏斉)の江戸日記 2月27日(天保5年)では、借りた巻物を返したことが記されてありました。

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友寿の日記

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現代語訳

 一巻の巻物から、当時の藩主の私的なやり取りが垣間見え面白く、また巻物の実物が牧野家かどこかに存在 するはずと思うと、それを尋ねて行きたい気になります。(ち)



掲載(最終更新 : 2017年6月 2日)

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