【資料紹介】徳川将軍からの礼状



◆収蔵品紹介

 大名は参勤交代で江戸に着いた時、物品を将軍に献上する外、年始、八朔(はっさく/8月1日)には太刀馬代(金銀)、端午、重陽、歳暮の 時には時服(じふく/編者注1)を献上する習わしがありました。
献上品も取り決められていて、端午は帷子(かたびら)、重陽・歳暮は小袖の綿入れで、いずれも葵の紋付きの服とされています。
紹介した古文書は御内書(ごないしょ)といい、遠山家からの献上品に対する将軍の礼状(黒印状・判物)です。 御内書は壇紙(だんし/厚手で繭のような皺があるのが特徴)の折紙(おりがみ/紙を半分に折り横長にして使用した)が用いられ、 差出人(将軍)は印章で表示されています。

これらの御内書には、将軍の意を伝達する者として大老や老中の名が記されるのが一般的です。
この礼状の内容は「貴方(領主)からの贈り物を上様が歓んでいることを老中が伝える」というもので、 一種の様式化した武家文書であります。

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(左)徳川綱吉御内書(黒印状)  (右)読み下し文

(写真上)遠山泉守《4代苗木領主遠山友春(在職1676ー1714)》の歳暮の祝儀献上に対する5代将軍綱吉(在職1680ー1709)の礼状。 阿部豊後守(在職1681ー1704)とは武蔵国忍の9万石の領主で老中を務める。

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((写真上)遠山近江守《10代苗木領主遠山友随(在職1765-1821)》の 端午の祝儀献上に対する10代将軍家治(在職1760ー1786)の礼状。 田沼主殿頭(在職1772ー1786)とは田沼意次のことで5万3千石の領主で老中を務める。

注1.四季の時候に合わせて着る衣服。時衣(じい)。
「恵那山」2004年4月号

左)徳川家治御内書(黒印状)  (右)読み下し文



掲載(最終更新 : 2017年6月 2日)

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